本当のキミ

【夏向side】

バクッバクッバクッバクッバク…

何してんだ、俺…

あいつの無理してるのがあまりにも愛しくて…
衝動的に…

なんか、俺やばい奴になってねぇか?

病気かってくらい心臓うるさいし…
とりあえず…どうしよう…

教室に戻ろうとしたとき

『あっ!水姫ちゃんっ』

廊下で水姫ちゃんがうなだれながら歩いているのを見つけた。

俺の声に気づいて俺の方を向いた瞬間
恐怖のような顔をしてきれいに回れ右をしていってしまった。

ちょっと傷つくんだけど…

『待ってよ!』

俺は軽く走って追いかけた。