野獣な執事とワンコお嬢様

何のためにこんなとこに住むのか、考えてみればわかりそうなもんだけど。



「もうお嬢様って言ってくれないの…?」

「言わなくなるな」

「もう大事にしてくれなくなる?」

「いや、琴音は執事やめても大事だし」

「看病してくれたり、一緒に寝たりしないんでしょ!?そんなの耐えられないっ…」



いつの間にか、俺は琴音に執事、青柳として大事にされてたらしい。



な~んか、わかった気がする。



龍馬様が俺に執事をやらせた理由。



琴音をお嬢様として大事にすることで、人の痛みや思いやりを学べたんだ。



シェフやタマキさんに関わり、高校へ行ってできた友達。



きっと龍馬様は人間としての勉強を、俺にさせたかったんだ。



人の気持ちを考えもしない俺に、琴音はやれないって。



そう言いたかったんだ…。



「琴音…」

「離れたくないよぉ~…」

「お前の執事になって、よかったよ」

「えっ…?」

「俺、やっと人間になれた気がする。ありがとな」



楽しかった…。