野獣な執事とワンコお嬢様

俺だけでいいのに。



琴音は世間に出る必要なんかねぇよ。



アイツの視界には俺だけ写ればいいんだ。



と、思っていても、琴音には向上心という厄介なものが加わってしまって。



日に日に可愛さが増す。



俺、気に入らない。



そんな琴音は、今日も好きな服を着てニンジンと格闘中。



「青柳、もういらない…」

「そんなカワイイ顔したって無駄です。もう大人になるのに、好き嫌いはあり得ないですよ、お嬢様」

「だっていっぱい食べたもん…」

「では、あ~んがいいですかね?」

「う゛ぅぅぅ~…」



疲れてメシを食わない。



元から食わないくせに、最近やたら食わない。



俺も仕事が忙しくて、琴音の教育を疎かにしていたわけだから。



責任は俺にもあるけど…許してなるものか。



「食べないなら、仕事なんてやめていただきます」

「ヤダっ!!」

「ならばどうぞ、残さず召し上がれ」

「鬼!!」

「何とでも仰ってください。これもお嬢様のためですから」



倒れられたら困るからな。