今の俺には好都合で。



歩いてやってきた琴音。



車から出て、出迎えようとした。



なんか後ろから着いてきてる…?



「お嬢様っ!!」

「えっ!?」



あからさまに挙動不審な男。



まず、琴音の安全確保。



琴音になにかあったら、俺の責任だ。



俺の存在に気づいた男が、逃げようと体制を変えた。



逃がすかよっ!!



「車にお乗りくださいっ!!」

「ヒョウ!?」



走って捕まえた。



何か危険なモノを持ってると困るので、すぐにボディチェック。



「いててててっ!!離せっ!!」

「舐めたことしてんじゃねぇぞ、おっさん…」

「私は何もしてないっ!!か、肩が外れるっ!!」



ジャケットのポケットに硬い感触。



手を突っ込んで出すと、ケータイとデジカメ。



動けないように関節を絞め、片手で電源を入れたら琴音の写真が山のように出てきた。



ストーカーじゃねぇか、コラ。



まぁ、昔からこんなことはあったわけだ。