野獣な執事とワンコお嬢様

あまり感情的になることはなく、いつもニコニコしていて。



何を考えているのかわからない兄が、珍しくマジメな顔。



これは…怒ってる…。



「2号はここに来る前、もう戻らない覚悟で来た。龍馬さんも青柳も、もったいないって説得したくらいだ」

「………」

「2号が相当迷って決めたことくらいわかんねぇのか?俺や龍馬さんに頭を下げて頼み込んだことくらいわかれよ!!お前、小さすぎ」

「そんなこと言われてもっ…」

「お前がそんなにバカだとは思わなかった。どうしようもねぇな、琴音」



パタンッと閉まったドア。



こんなに攻められること?



あたしはワガママ?



ヒョウの未来を潰してるの?



「どうしたらいいのかわからないっ…」



ポタポタ流れる涙を拭うことができない。



あたし…ヒョウがそばにいないと…。



あぁ、そっか…。



それはあたしの身勝手だ。



ヒョウはひとりの人間で、あたしの所有物ではない。



わかってるのに…。



一瞬でも離れたくないよぉ…。