朝も隣には眠り姫。



カワイすぎでどうしたらいいもんか…。



なんでコイツをそんなに好きなんだろう。



よくわかんねぇけど、コイツは俺がいなきゃダメなんだと思うんだ。



俺を必要としてくれるヤツ。



ガキの頃から泣き虫で、体弱くて。



手をさしのべてやらなきゃダメなような気になる。



そんな琴音の隣を静かに抜け出し、身支度を整えて部屋から出た。



「青柳にしては遅いな」

「おはようございます、タマキさん。昨晩やることはやって寝たので」

「琴音は?」

「お嬢様は部屋で夢の中です」

「お前の部屋?」

「えぇ」

「ふぅ~ん。クマできるまでがんばっちゃう若さってヤツ、俺も欲しいな~」



タマキさんにはすべてお見通しってことらしい。



クマなんかできてたのか…。



欲望ってのは限りなく恐ろしいな…。



「タマキさんこそ早いですが…」

「今日休みだから。たまには彼女に構ってやんねぇと。龍蔵には話通ってるから、任せたぞ」



かしこまりました、タマキさん。