琴音の部屋にお茶を運び、ベッドをなおしてしばらく。



「髪、乾かして?」

「お座りください」



部屋に戻ってきた琴音が珍しく自分から髪を乾かしてほしいと。



疲れてるのか、甘えてるのか。



「お父様と、どんなお話をなさったんです?」

「ヒョウとは別れないってことと、パパのバカってこと」

「お嬢様は土下座するほど、わたくしが好きなんでしたね」

「そうだよ。ヒョウが傷つくなら、あたしは死んでもいいって思った」

「バカ言わないでください。お嬢様に助けていただいても、嬉しくありませんよ」



ちょっと拗ねたような琴音は、グビグビとお茶を飲んだ。



お前の気持ちは嬉しかった。



自信をくれた。



俺もがんばらなければ…。



「はい、乾きました」

「ん~…」

「どうかされましたか?」

「一緒に寝ちゃダメ?」

「お嬢様が眠るまでそばにいますよ」

「朝も一緒に起きてみたい…」

「お嬢様の努力次第ですね。さぁ、ベッドに」



無事でなによりでした、お嬢様…。