不遜な蜜月


その間に、随分といろいろあったが。


(結婚する前に、美紗を切っておくか・・・・・・)


冷たいと言われても、そもそも美紗とは恋人ではない。

縛ることのない美紗との関係は、面倒が少なくて都合がよかった。

けれど、結婚してまで彼女との関係を続けようなど、考えてはいない。


「・・・・・・残業、か」


体調を崩しているのなら、さっさと帰ればいいのに。

理人は苛立たしいため息を漏らし、仕事に取り掛かった。










「・・・・・・ゴホッ。ホントに風邪引いてたら、どうしよう」


すっかり暗くなった外を見て、真緒はポツリと呟く。

昼間とは違う静かな社内は、小さな咳さえ大きく聞こえる。


(それより、お金どうしよう)


パソコンに視線を移し、真緒は肩を落とす。

貯金はあるが、出産費用やその他諸々に回せば、すぐに消える額だ。

出産後の働き口だって必要だし、子供が大きくなれば更にお金はかかる。