常々、一臣は理人から聞いていた。
いずれは結婚しないといけないし、その覚悟もある、と。
ならば、今がその時だと一臣は思うのだ。
打算的な部分も考えたが、何より理人のためだと思い、聡志に真緒のことを報告した。
「工藤くんを責めるな。それに、彼の言うことに私は賛成している」
「会長・・・・・・俺は、彼女に結婚しないとハッキリ告げているんです。それなのに、今更―――」
「それがどうしたというんだ。お前は自分の子を、彼女ひとりに押し付けるのか?」
痛いところを突かれて、理人は答えに詰まる。
「理人。縁があれば、とお前は言っていたな。これが、その“縁”じゃないのか?」
「・・・・・・彼女が、受け入れるとは思えません」
この祖父から逃げ切るのは難しいと、理人は長年の経験から知っている。
特に、今回は。
「お前には好条件が揃っているんだ。なんとしても、彼女と結婚しなさい」
「・・・・・・努力はしますよ」


