不遜な蜜月


そう思わずにはいられない。


「会長・・・・・・一体、何の用で?」


職場なので、お祖父さんとは決して呼ばない。

仕事に私情を持ち込むな、と常に祖父は理人に言い聞かせてきた。


「見合いの話は、断っておいた」

「・・・・・・そう、ですか」


どういう心境の変化だ?

だが、見合いを断って上機嫌なのはおかしい。


(混乱してきた)


考え込む理人に、聡志は笑顔で話を続ける。


「もう、見合いをする必要はないからな」

「どういう、意味ですか?」


なんだろう・・・・・・。

とてつもなく、嫌な予感がする。


「工藤くんから聞いたぞ。香坂 真緒という女性のことを」

「! ・・・・・・工藤?」


背後に控えていた一臣を振り返る。

表情ひとつ変えず、一臣は口を開いた。


「社長。身を固める良い機会だと思います。遊びたいから、結婚しないわけではないのでしょう?」