不遜な蜜月


「ま、私達には関係ないけど。あぁ、このあんこと栗の絶妙なバランス・・・・・・幸せ」

「・・・・・・部長に怒られないかな?」


仕事中に栗ドラ焼き食べてる姿は、ちょっと職務怠慢のように見える。


「食べながらでも仕事してるし。何より、部長にも渡したから怒らないって」


笑いながらドラ焼きを頬張る彩子に、真緒は苦笑してしまう。


(ん、美味しい)


あったかいドラ焼きを一口食べて、真緒は微笑む。

午前中の仕事は、ドラ焼きのお陰か、いつもよりはかどった気がした。










―――社長室。


怪訝な表情の理人と、何故か上機嫌な会長・聡志。

昨日、急に会社へ出向くと言い出した聡志に、理人は嫌な予感しかしていない。

しかも、会ってみれば不思議なくらいに上機嫌。


(不気味だ・・・・・・見合いの話をしに来たのかと思ってたけど、違うのか?)


日頃、自分にも他人にも厳しい祖父が、こんなにもわかりやすく上機嫌なのだ。

何かある。