未婚のまま出産、というのは世間体の前に大変だ。

頑張っても、現実の壁にぶちあたる。


「でも、私の子だから」

「・・・・・・わかったわ。何も言わないし、何も聞かない」


麦茶を飲み干し、菜緒は笑いかける。


「私はあんたの味方、って言ったでしょ?」

「姉さん・・・・・・ありがとう」


やっぱり、菜緒に話してよかった。

すべてが解決したわけじゃないけど、ちょっとだけ前向きになれるような気がした。










その日の内に、真緒は両親に報告に向かった。

菜緒も、遼太郎を連れて同行してくれた。


「妊娠?!」

「ひとりで産むのか? 相手はどうしたんだ?!」


予想通りというか、予想以上というか。

両親の驚きように、真緒は申し訳なく思う。


「いろいろ、事情があるのよ。・・・・・・お父さん達には、迷惑かけないから」


両親の目が見れなくて、真緒は視線を落としたまま。