「なら、産むとでも言うのか? 生憎、俺は君と結婚するつもりはない」
理人の声が、荒々しくなる。
真緒は圧されそうになったが、意地でも引かない。
産むかどうか、迷っていた。
でも、下ろすなんて出来るはずがない。
(・・・・・・私の子だもの)
真緒はキッと理人を睨みつける。
「産むわ」
「な・・・・・・っ」
勢いで言ったことは否定しない。
後悔するかもしれない。
でも、今この瞬間は、後悔していない。
「産むって・・・・・・ひとりでか?」
「えぇ」
「・・・・・・本当に、俺の子か?」
強い意志を含んだ真緒の目に、思わず理人は漏らしてしまった。
社長の子を妊娠したのだ。
多少なりとも、メリットを考えないのだろうか?
あわよくば結婚し、社長夫人の座を手にできる。
下ろすにしても、その費用や―――更に言えば、口止め料を請求したっていいのに。
理人自身、それを予想していた。


