不遜な蜜月


そのメールを見た瞬間、真緒は慌てて電話をかけた。


「姉さん? 来てくれたの?」

『気になったからよ。残業なんて、災難ね』


姉の笑い声が、電話越しに聞こえる。


『待ってるから、カフェで話しましょ。お姉ちゃんが特別に奢ってあげるから』

「ふふふ。うん、仕事片付けて、すぐ行くわ」


電話を切り、真緒は急いで仕事を終わらせようと、気合いを入れた。










会社近くのカフェは、美味しいコーヒーが手頃な価格で味わえると、若い女性に人気がある。

彩子と何度か来たことがあって、この店のパンケーキが最高と、彼女は3皿も食べていたのを思い出す。


「お待たせ。ごめんね、わざわざ来てもらって」

「いいのよ。それより、ここでいい? あんた、ご飯まだでしょ?」


場所を変えようとする菜緒に、真緒は笑顔で首を振る。


「パンケーキ食べるわ。友達が、絶賛してたから」


そう言って、真緒は手早く注文を済ませる。