会いたいな。
また、名前を呼んでほしい。
そう思う自分の情けなさに、呆れてしまう。
お別れをしたのは自分から。
だというのに、ふとした瞬間に思い出すのは、理人の香りやぬくもり。
「・・・・・・頑張れ、私」
無理矢理だけれど、笑顔を浮かべてみた。
少しでも、心の中が晴れるように。
ブラックコーヒーを飲むのは、久しぶりかもしれない。
真緒のつわりで、においがついたら良くないと、控えていたからだ。
「会えて嬉しいわ」
美紗はミルクティーを一口飲み、目の前の理人に笑顔を見せる。
今日の美紗は、他人から見てもわかるくらい、気合いが入っていた。
「何か用があって呼んだんだろ?」
久しぶりのコーヒーの味に、理人は懐かしさを覚える。


