自分のデスクに座り、誠との約束を彩子に報告してみた。
「有名だよ。凄腕のパティシエが作るスイーツは、味はもちろん、見た目まで芸術品並。種類も豊富で、和・洋・中のみならず、世界中のスイーツを網羅してるんだから」
熱く語る彩子に、真緒は譲った方がいい気がしてきた。
「何言ってんの。誘われたのはあんたでしょ」
「う、うん」
「あ、でもおいしそうなのあったら写メ送って。見るだけでも楽しめるから、私」
約束して、彩子は自分の仕事に戻る。
(私も仕事しないと。・・・・・・考えるの、やめよ)
油断すると、すぐに理人のことを考えてしまう。
(あ、携帯の番号・・・・・・消した方が、いいよね)
未練は残すべきじゃない。
真緒は携帯を取り出し、名残惜しげに理人のアドレスを削除した。


