不遜な蜜月


呼ばれて振り返ると、笑顔の誠がいた。


「こんにちは」

「はい、こんにちは。急なんだけど、今週の日曜日、空いてるかな?」

「日曜日、ですか?」


特に予定はなかったはずだ。

真緒の答えに、誠が嬉しそうに笑う。


「じゃあ、ケーキのバイキング行かない?」

「バイキング?」


どうやら、知り合いの女性と約束したらしいが、相手の都合でキャンセルになってしまったらしい。


「えっと、行きます」


甘いもの、食べられるかわからないが、気分転換には良さそうだ。


「よかった。じゃあ、12時にホテルのロビーラウンジで」

「はい」


もしかしたら気遣ってくれたのかも、なんて自分に都合の良い解釈はやめよう。


「え? それってウィンターホテルのケーキバイキング?」

「うん。有名なの?」