不遜な蜜月


これ以上望むのは、我が儘だ。

神様に怒られてしまう。


「・・・・・・ありがとうございました」


深々と頭を下げて、真緒は扉へと向かう。


「あれ? 話は終わったんですか?」

「はい。青山さんも、ありがとうございました」


小さく頭を下げて、真緒はエレベーターではなく階段へと向かった。


「? 社長・・・・・・?」


玲奈は少し気になって、社長室へと向かうことにした。





「社長? 失礼しますよ〜」


返事がない。

ふと、湯呑みが倒れていることに気づいた。


「セーフ! 絨毯は無傷・・・・・・兄さん? 泣いてる、の?」


ソファーに座り、口元を押さえて俯く理人の姿に、玲奈は動揺した。

泣いてるように、見えたから。


「・・・・・・ダメだった」

「え?」