不遜な蜜月


「何か欲しいものあるなら、買ってくるけど?」

「ううん、大丈夫」


真緒は首を振り、ペットボトルのフタを開ける。


「社長には、連絡・・・・・・した?」


彩子の問いに、真緒はまた、首を振る。


「・・・・・・連絡した方がいいと思うわよ」

「うん・・・・・・」


部屋の空気が重くなったことに気づいた彩子は、それ以上、理人の話題を出さなかった。


「すみません。俺、会社に戻らないといけなくて」


電話を終えた誠が、慌てて病室へと戻ってきた。


「いえ、本当にありがとうございました」


真緒が頭を下げると、誠は優しい笑顔を浮かべて、また慌ただしく病室を出ていった。


「いい人ね、一ノ瀬さんって。私、ちょっと電話してくる」

「あ、うん」


彩子は携帯だけ手に持ち、病室から出ていく。