真緒が体調を崩し、理人に助けられた時など、誠はそういった場面に遭遇している。
父親は社長かもしれない、という真偽も定かでない想像をしたとしても、咎めることなどできはしない。
ペットボトルを握る手に力が入る
「悪いと思ったんだけど、金森さんに連絡したよ。友達、だよね?」
「あ、はい。すみません、いろいろとお世話になってしまって」
気にしなくていいと誠は笑うが、真緒は申し訳なく思う。
体調管理ができていなかったのは、自分のせい。
それなのに、こうして他人に迷惑をかけている。
「ごめん、会社からだ。・・・・・・はい」
一人きりの病室に、雨音が大きく響く。
(赤ちゃん・・・・・・)
お腹に手を当て、我が子が無事であることが嬉しい。
妊娠しなければ―――そう思ってしまったから。


