不遜な蜜月


「・・・・・・雨」


カーテンが開けられたままの窓の向こうでは、雨が強い音を立てて降っていた。


(病院? 私・・・・・・)


体をゆっくりと起こし、ここが病院だと気づく。


「!」


咄嗟に、自分のお腹に手を当てる。


「あ、起きたんだね。よかった」

「一ノ瀬さん・・・・・・」


病室に入ってきた人物を見て、真緒は曖昧ながらも思い出す。

自分は意識を失い、倒れたのだ。


「すみません。一ノ瀬さんが、連れて来てくれたんですね」

「うん。かかりつけとか分からないから、近場の病院だけど」


買ってきたばかりの水を真緒に手渡しながら、誠は椅子に腰を下ろす。


「貧血と栄養失調、だそうだよ」

「そうですか。ご迷惑をおかけして、すみません」


受け取ったペットボトルを握り締め、小さく頭を下げる。