不遜な蜜月


それはもしかしたら、美紗みたいな人かもしれなくて。


「・・・・・・気持ち悪い」


あと少しで会社なのに、足が動かない。

だって、何事もなかったかのように彩子と会える自信がないんだ。

きっと、笑顔が引き攣って、それに気づいた彩子が心配する。

心配されたら、何があったか聞かれたら、泣いてしまう。


「・・・・・・っ」


視界が潤む。

最悪だ。

ただでさえ揺れる視界が、涙で余計、見えにくくなる。


自分のいろんな感情に、自分が負けてしまう。


美紗と理人の関係はわからない。

けれど、美紗が理人を好きだということはわかる。

美紗は、肝心な部分は言わなかった。

だから、こうして悩んで苦しんでるのは、結局、自分自身が迷っているからだ。

結婚の正否ではなく、理人の隣に自分がいていいのか、ということ。