不遜な蜜月


「妊娠したから。それって、責任を取る、ってことよね?」

「あ・・・・・・」


視界が揺れた、ような気がした。

貧血だろうか?


「好きでもない相手と結婚するなんて、理人が可哀相。ねぇ、あなたもそう思うでしょう?」

「わ、私は・・・・・・」


気分が悪い。

そういえば最近、また食べる量が減った。

そのせいかもしれない。


「だって、あなたも好きでもない相手と結婚するんだもの。そうでしょう?」

「あの、私・・・・・・」


ガタッと音を立てて、真緒は立ち上がる。


「・・・・・・帰ります。お昼休み、終わってしまうので」

「あぁ、そうね。ごめんなさい」


頭をペコッと下げて、真緒は個室から出ていく。


「あ、こぼれちゃった」


真緒が立った時に、フタを開けたマニキュアが倒れて、中身がテーブルにこぼれてしまっていた。