不遜な蜜月


真緒は意味がわからなくて、小首を傾げる。


「下の名前で、俺も呼んでいいか?」

「は、はいっ」


返事をしたあと、真緒は恥ずかしくて、また俯く。


「今夜、泊まっていくか?」

「え? あ、はい・・・・・・」


真緒の顔が、赤くなる。

それを見て、理人が笑う。


「腕枕、するか?」

「・・・・・・お願いします」


クリスマスイブ。

あなたと過ごす、クリスマスイブ。


ベッドの中、理人は“真緒”と呼んでくれた。

寝言でもなくて、寝ぼけてでもなくて。

ちゃんと目を開けて、真緒を見て、呼んでくれた。


だから、恥ずかしかったけれど、真緒も“理人さん”と小さな声で呼んだ。

そしたら、理人は嬉しそうに笑った。


外は雪でも降りそうな空模様だったけれど、理人のぬくもりがすぐ傍にあったから、寒くなかった。