不遜な蜜月


「今日は、クリスマスイブだな」

「あ、そうですね」


真緒は気にした様子もなく、笑顔を返す。

無理してる、という風には見えないが。


(・・・・・・いや、俺相手だとクリスマスも楽しめないか)


彼女との距離感を、自分はまだ完璧に掴めていない。

このままでいいとは思っていないが、下手なことをして距離を詰めるどころか溝が出来てしまったら目も当てられない。


(玲奈は食事に誘えとか何とか言ってたが)


玲奈が真緒とのことを知って以来、口うるささが2割増だ。

正直、鬱陶しい。


「あ、ここです」


真緒の言葉で、車はゆっくりとスピードを落とす。


表札には香坂の名前。

住宅地の中、外観に目立った特徴はなく、庭も小さめ。

理人はひとつ息を吐き、真緒の後に続いた。