不遜な蜜月


彩子の指摘は最もだ。

貧血なのか、クラクラするときもあるし。


「頑張って食べるね」


小皿に盛り付けられたほうれん草のお浸しを、パクリと口に入れる。

食欲なんてないけれど、倒れて迷惑をかけるわけにはいかない。

真緒はほうれん草を飲み込むように、つわりによる吐き気も飲み込んだ。









―――・・・・・・。

今日はクリスマスイブだということを、実は最近まで忘れていた。

仕事上は把握していたが、プライベートまで意識するようなものじゃないから、と忘れていたらしい。


(プレゼント、何か用意するべきだったか?)


ネクタイを選びながら、理人は真緒のことを思い出す。

イベント事にはあまり興味がなくて、自分の誕生日さえ他人に言われて気づく程だ。

けれど、女性は何故かイベント事が好きらしい。