不遜な蜜月


「・・・・・・どうでもいい人なら、こんなにも・・・・・・悩んだりしない。それはつまり・・・・・・その・・・・・・うん」


ウーロン茶を持つ手が、冷たい。

けれど、顔は熱い。


「・・・・・・好き、ってことだよね」


理人に名前を呼ばれた時、泣きたくなった。

嫌だったからじゃない。

嬉しかったから。


理人が泣きそうな顔をすると、胸が苦しくなる。

同情とかじゃない。

悲しんでほしくないから。


あなたにとって、私は特別じゃないかもしれない。

でも、私にとって、あなたは特別。


真緒の答えに、彩子は何も言わなかった。

彩子からすれば、素直に応援できないのだろう。

それでも、真緒の気持ちを否定するようなことは言わない。


「きっかけは、偶然が重なっただけだけど・・・・・・」