なのに、箸が進まない。
「真緒」
「な、何?」
慌てて顔を上げれば、彩子が心配そうな顔で笑っていた。
「話してみたら?」
「・・・・・・あの、ね・・・・・・」
これは、相談になるのだろうか?
それとも、胸の不安を吐き出すだけ?
わからない。
でも、話せば落ち着けるかもしれない。
真緒の話を聞き終え、彩子はしばらく黙って、考え込んでいるようだった。
玲奈が口にした梶谷 美紗という女性が気になる。
ただ、それだけ。
もしかしたら、他人からすればこんなにも悩む程の事じゃないのかもしれない。
それでも気になるのは、理人がどうでもいい存在じゃないから、という意味・・・・・・だと思う。
「真緒は社長のこと、好きなの?」
彩子がそう聞くから、真緒は素直に、けれど吶吶と答えた。


