不遜な蜜月


受付嬢には口止めしておいたから、美紗が来たことは玲奈にバレないだろう。

けれど、美紗の目的がわからない。


「どうすると思う?」

「・・・・・・あなたは別に、兄さんと結婚したかったわけじゃないでしょ?」


玲奈の指摘に、美紗の手が一瞬止まる。


「それがどうかしたの?」

「兄さんは、あなたとの関係は終わったと言った。なら、あなたが香坂さんに会う理由なんてないはずでしょう」


彼女の目的はわからない。

けれど、彼女を真緒にも理人にも近づけるべきではないと、玲奈は思う。


「・・・・・・香坂さんって、理人のタイプじゃないわよね」


オレンジ色のマニキュアを選び、美紗が笑みを浮かべる。


「会ったの・・・・・・? いつ?」


目を見開く玲奈に、美紗は落ち着いた笑顔を向けてマニキュアを開ける。