不遜な蜜月


その受付嬢を困らせていた女性は、やっぱり梶谷 美紗で、しかも彼女は―――。


『香坂さんに会いに来たの』


と、しゃあしゃあと言ってのけた。

どうして彼女のことを知っているのか、というのも気になったが、そんなことよりも会社から出ることを優先させることにした。

あの場にいたら、真緒に出くわすかもしれない。

運が悪ければ、理人と―――。


美紗を会社から追い出した玲奈は、何故かネイルサロンへと来ることになった。

本来ならばさっさと帰るところだが、言わなければならないことがある。


「どうして香坂さんを知ってるの?」

「さぁ、どうしてかしらね」


マニキュアを選びながら、美紗は試すような視線を向けてくる。

玲奈もまさか、自分がポロッと零した言葉が原因だとは思っていない。


「・・・・・・彼女に会って、どうするつもり?」