不遜な蜜月


後々―――それは多分、結婚した後のことを言ってるのだろう。

結婚すれば、当然ながら別々ではなく一緒に住むことになるから。


「服、シワだらけだな」

「あ、一旦帰ってから着替えるので」


真緒は昨夜、脱いでソファーに置いたままのコートとバッグに手を伸ばす。


「送っていくから、もう少しゆっくりしても大丈夫だ」

「いえ、でも・・・・・・」

「気にしなくていい」


理人がどういう表情をしているのか、タオルで隠れているから、よく見えない。


「それから、玲・・・・・・青山のことだが」

「あ、従姉妹だそうですね。聞きました」


ダイニングテーブルの椅子に腰を下ろし、真緒は差し出された熱いお茶を受け取る。


「あぁ、うん。他に、何か聞いたか?」

「・・・・・・いえ。その、結婚の話をすごく喜んでいました」