不遜な蜜月


なんてマヌケな言葉だろうか。


「悪かったな」

「え?」

「工藤に言われて来たんだろう?」

「あ、はい」


タオルで乱暴に頭を拭きながら、理人は見透かしたように言う。

とりあえず、迷惑そうな顔はされなかった。

今のところは。


「すみません。その、泊まってしまって・・・・・・」

「それは構わないが。・・・・・・鍵、持ってるのか?」

「鍵、ですか? ・・・・・・あ、はい」


この部屋の鍵だということに気づき、真緒は服のポケットを探る。


「えっと、工藤さんに返した方がいいですか?」

「いや、そのまま持ってていい」

「え?」


それは、私が、ってこと?

予想もしない理人の言葉に、真緒は戸惑う。


「いいんでしょうか? 私が持ってても」

「後々のことを考えると、今渡しても問題ないだろ」