不遜な蜜月


「・・・・・・っ」


また名前を呼ばれて、なんだか泣きたくなった。

理人の胸に頬を寄せ、瞼を閉じる。

トクン、トクンと心臓の音が心地好い。

眠るまで、そう時間はかからなかった。










腕が痛い。

いや、どちらかと言えば痺れているという表現の方が正しいかもしれない。

自分も歳なのだろうか。

出張で、知らぬ間に体を酷使していたのかもしれない。

そんなことを、まだ完全に目覚めていない頭で考えていた。


「・・・・・・ん?」


ぼやけた視界に、何やら人らしきものが映りこんだ。


「? ・・・・・・なっ」


それが真緒だとわかった瞬間、一気に目が覚めた。


(なんでいるんだ?!)


最もな驚きを声に出さなかったのは、すやすや眠る真緒を起こさないためだ。

腕の痺れは、どうやら真緒の枕に自分の腕が使われていたから、らしい。