不遜な蜜月


再び眠ろうとする理人を、真緒は半ば無理矢理立ち上がらせた。


寝室までなんとか自力で向かってもらい、ベッドに横たえる。

シャツを脱がせるべきか迷ったが、そのままにしておくことにした。


(この時間なら、工藤さんに迎えを頼まなくても大丈夫そう)


サイドテーブルに置かれた時計で、時間を確認する。


「社長、帰りますね」


寒くないよう毛布もかけて、真緒は最後に、と理人の寝顔を見ることにした。


「・・・・・・」


不意に、美紗の顔が頭に浮かんだ。

考えないようにしていたけれど、やっぱり理人の顔を見ると、思い出してしまう。


(恋人、だったのかな?)


違ったとしても、親密な関係だったことはわかる。

真緒は躊躇いがちに、理人の胸に頭を軽く乗せてみた。

トクン、トクンという理人の心臓の音と温もり。