不遜な蜜月


「あ・・・・・・」


目が合ってしまった。


綺麗な女性だな、と思った。

髪も化粧も服装も、爪の先さえ手を抜いていない、綺麗な女性。

同じ女性なのに、自分が更に地味な存在に思えてしまう。


「それで、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「梶谷 美紗よ」

「!」


受付嬢に名乗った女性は、真緒の顔色が変わったことに鋭く気づいた。


「もしかして・・・・・・香坂さん?」

「え? あの・・・・・・」


言葉が上手く出てこない。

違います、と言うべきだろうか?

真緒の様子から、梶谷 美紗は察したらしい。

彼女が、“香坂”だと。


「結婚、するのよね? おめでとう」

「え・・・・・・?」


初めて会うはずなのに、どうして?

真緒の瞳が、戸惑いで揺らぐ。