不遜な蜜月


―――・・・・・・。

メールの受信を知らせる音に、真緒は一瞬、携帯を取る手が戸惑った。

この音は、理人からのメールだ。

画面には予想通り、理人の名前が出ている。


【予定通り、明日帰国する】


簡単なメールに、理人らしさが出ていて、真緒は苦笑してしまう。


「イタリア土産とか、期待してる?」

「彩子! 人のメール、勝手に見るものじゃないでしょ」


真緒は慌てて、開いた携帯を閉じる。


「見られて困るような内容でもなかったでしょ? でも、見ちゃったのはごめん」


素直に謝ると、彩子はデスクの時計に目を向ける。


「今日は残業かなぁ」

「手伝おうか?」


彩子が残業するのは珍しい。

いつも手伝ってもらうし、恩返しではないけれど、手伝いたい。


「大丈夫。大した量じゃないし、あんたは早く帰って休みなさい」