不遜な蜜月


玲奈に連れて行かれたのは、社員でも滅多に訪れない、かなり古い資料室。

埃っぽさに、口を手で押さえてしまう。


(何の用なのかしら。・・・・・・そういえば、青山さんは社長を狙ってる、って話・・・・・・)


真緒は理人と玲奈の関係性を知らないので、じわじわと不安が胸を占拠していく。


「誰もいない・・・・・・わね」


入念に資料室が無人であることを確認した玲奈は、改めて真緒に向き直る。


「・・・・・・」


ごくり、と真緒は唾を飲み込む。

今から何を言われるのか。

それを思うと、震えてしまいそうだ。


「おめでとう!!」

「・・・・・・え?」


予想もしていなかった台詞とテンションに、真緒は阿保みたいな声を発してしまった。


「いいえ、おめでとうと言うよりも、ありがとうと言うべきよね!」


ガシッと両手を掴まれ、玲奈の顔が一気に近づく。