不遜な蜜月


「結婚。するんでしょう?」

「・・・・・・は?」


意味がわからず、また同じ声を発してしまう。

そんな様子の玲奈を、今度は美紗が怪訝そうな目で見る。


「理人のことよ。結婚するんでしょう?」

「・・・・・・え?」

「だから、結婚よ。よりにもよって、自分の会社の社員と」

「・・・・・・香坂さん?」


美紗の言っていることが真実かはわからない。

けれど、状態で結婚なんていうワードを出すはずがないし、もし本当ならば、いろいろと納得がいく。


「私、戻りますっ」

「え? ちょっと・・・・・・!」


まだ途中だったのに、と美紗は腰を上げかけ、仕方ないと諦めて座り直した。


(香坂、っていうのが理人の相手? あの様子からすると、秘密だったみたいね)


頬杖をつき、美紗は微笑む。

理人は相手のことを教えないまま別れたが、まさか他人から知ることになるとは。