車は静かに走り出し、目的地へ向かう。
もう何度目だろう?
彼の隣に座るのは。
いい加減慣れねば、と思うが、このあとのことを考えると、やっぱり緊張感は増すばかりだ。
「あの・・・・・・この服装で大丈夫、でしょうか?」
車内は暖房が効いていたので、コートは一応脱いでおいた。
理人はスーツだと決め付けていたが、彩子の言う通り、スーツを選ばなくてよかった。
「問題ないと思うが?」
理人が横目で、真緒を見る。
23歳の女性にしては大人しすぎる、と言えなくもない服装。
だが、真緒らしい。
「今日は、ちゃんとマフラーをしていたな」
「え? えぇ・・・・・・」
気恥ずかしくなって、真緒は視線を逸らす。
膝の上には、コートとマフラー。
手触りの良いマフラーは、元々、理人のものだった。


