―――自宅マンション前。
昨夜、ギリギリまで彩子に残ってもらい、着て行く服の最終チェックに付き合ってもらった。
今はコートを着ているので見えないが、なるべく好印象を抱いてもらえるよう頑張ったつもりだ。
望まぬ結婚だとしても、良好な人間関係を築くことに越したことはない。
「今日も寒いな・・・・・・」
マフラーをしてきて正解だった。
空はどんよりとした灰色の雲が広がり、雨でも降りそうな気配。
傘を持ってくるべきだろうか?
そんなことを考えていたら、迎えの車が見えてきた。
「待たせた」
「あ、はい・・・・・・」
車から降りてきた理人は、意外なのだが、スーツではなかった。
「乗らないのか?」
「の、乗ります」
助手席のドアを理人が開けてくれて、真緒は慌てて乗り込んだ。


