不遜な蜜月


「悩んでる。こういう場合って、どういう服装で行くべき?」


電話で、理人は堅苦しい席ではないから、と言っていた。

ならば、スーツでなくともいい気はする。

でも多分、理人はスーツだろう。

そうなると、やっぱり自分もスーツを着るべきなのでは? と思うし。


「まぁ、真緒の気持ちはわかるわよ。会うのが会長と、その奥様だもんね」


とりあえず、とふたりは服を片付けて座れる場所を作る。

こんなにも服を引っ張り出していたとは、気づかなかった。


「でも、スーツじゃなくていいと思うよ」

「そう? じゃあ、どんな格好で・・・・・・」

「真緒の服装って清楚な感じだし、スーツを着るより、そっちの方がいいと思うけど?」


彩子がにっこり笑う。

確かに、真緒の持つ服は派手なものよりも、大人しめなものの方が多い。


「大丈夫、かな?」

「大丈夫。それより、晩ご飯はどうする?」