―――社長室。
秘書課を通り抜け、真緒は社長室に足を踏み入れる。
広い社長室は、暖房が効いていて暖かい。
「お連れしました」
「あぁ。少し待っていてくれ」
一臣が退室し、部屋には真緒と理人、ふたりだけが残る。
「・・・・・・」
理人は書類にサインを済ませると、デスクから離れ、ソファーへと移動する。
真緒を座らせてから、自分も腰を下ろす。
「わざわざ来てもらってすまないな」
「いえ・・・・・・」
目を伏せたまま、真緒は小さく頭を下げる。
「実は、今週中に祖父母と会ってもらいたいんだ」
「それは構いませんが・・・・・・」
急いでいるのだろうか?
怪訝そうにする真緒に気づき、理人が付け加える。
「来週から出張なんだ。その前に、軽い顔合わせを、な」
祖父母から、早く会わせて欲しいと言われている。


