不遜な蜜月


「シャワー浴びる? 私は後でもいいけど。それとも・・・・・・何か別の用事でもあるのかしら?」


艶のある美紗の視線を受け止め、理人は静かに口を開く。


「結婚する」

「・・・・・・」


美紗の顔から、一瞬笑顔が消えた。

けれど、すぐ元に戻る。


「何? お祖父様にとうとう負けたの? どこのご令嬢?」

「うちの社員だ。それから、祖父は関係ない」


決めたのは、自分の意志だ。

そんな理人の答えに、美紗は苦笑する。


「社員って・・・・・・。まさか、愛してる、って言うつもり?」


政略結婚ならば、自分の会社の社員を選ぶはずがない。

予想外過ぎて、思わず笑ってしまいそう。


「俺の子を妊娠してる」

「妊娠? ・・・・・・そう」


安堵したように、美紗が肩から力を抜く。


「妊娠させたから、結婚するのね。それで? 話はそれだけ?」