不遜な蜜月


―――車内。

帰りの車の中、真緒は少しだけ気分が悪かった。

車の窓から見える外は、既に暗い。

遼太郎が一緒に夕ご飯を食べたいと言うので、この時間まで菜緒のマンションにいたのだが。


「大丈夫か?」

「はい・・・・・・」


食欲はなかったし、食べ物を前にすると吐き気も酷かったのだが、甥っ子のためと必死に我慢した。


「着いたら起こすから、それまで寝ていろ」

「いえ・・・・・・」


真緒が断る前に、理人は手早く助手席の背もたれを軽く倒した。


「寒くないか?」

「・・・・・・大丈夫です」


不思議な景色。

こんな角度から理人を見たのは初めてで、ちょっと落ち着かない。


(・・・・・・なんだか、眠くなってきた・・・・・・)


静かな車内に加えて、理人の運転はとても滑らかなものだった。

瞼が徐々に重くなってきて、いつの間にか意識は夢の中へ落ちていた。