不遜な蜜月


「行っておいで。ケーキはちゃんと残しとくから」

「うん!」


遼太郎は笑顔で頷くと、上着を着せてもらい、買い物へ出かけた。


「で、相談って何よ?」


ふたりきりになり、菜緒はチーズケーキを食べる手を止め、真緒を見据えた。


「えっと・・・・・・生理が、まだ来なくて」

「どのくらい?」

「3週間、くらいかな」


真緒の答えに、菜緒は驚いてフォークを落としかけた。


「3週間?! あんたにしては、遅いわね」

「どうしようかと思って・・・・・・」

「妊娠してたら、とか?」


菜緒の言葉に、真緒は躊躇いがちに頷いた。


「でも、あんた彼氏いるの?」

「いないけど・・・・・・」

「心当たり、あるの?」


姉の追求に、真緒は視線を逸らす。

心当たりがないわけじゃない。


あの夜、かなり酔っていたが、未遂でないことはわかっている。

もしかしたら―――。