不遜な蜜月


妹が幸せで―――真緒が笑顔でいられるのは、結婚をしないという選択。

それは多分、間違いではないはず。


「お姉さん・・・・・・」

「約束なんていらないわ」


菜緒はハッキリとした声で告げる。


「幸せにするとか、泣かせないとか、そんな出来もしない約束はいらない」


絶対に泣くに決まってる。

絶対にひとりで辛いことを背負い込むに決まってる。

それを思えば、反対! と声を大にして叫びたい。

でも、それをしないのは結局―――。


「私はあの子の味方なんだもの」

「・・・・・・」


理人は黙って、菜緒を見つめる。

家族の温もり・・・・・・。


「あの子がダメだと言うなら、私はいつでも迎えに行くわ。それを忘れないで」

「はい」


理人は小さく、けれど確かな声で頷いた。


「あなたのご両親は、この結婚には賛成なんです?」