不遜な蜜月


菜緒の厳しい声に、遼太郎がすぐさま背筋を伸ばした。


「ありがとうございます!」

「そう、まずはお礼を言いなさい」


遼太郎の頭を撫でて、箱を受け取る。


「あら、ここって美味しいって有名なのよね。わざわざありがとうございます」

「いえ」


リビングのソファーに腰掛け、菜緒は二人分のコーヒーをテーブルに置く。


「お母さん、チョコあるよ! 食べてもいい?」

「帰ってきたらね。お昼ご飯食べたばっかりなんだから」


菜緒の言葉に、真緒は首を傾げる。

帰ってきたら?


「真緒」

「何?」


何故か、菜緒は遼太郎にコートを着せている。

真緒はソファーから立ち上がり、姉の元へ。


「1時間くらい、遼太郎と外で遊んできて」

「え? でも・・・・・・」


躊躇う真緒の背を、菜緒が力強く押す。