真緒よりも遥かに相応しい相手が、理人にはいたと思う。
それを思うと、責任のすべてを理人に押し付けることができない。
「そろそろ帰るわね」
考え込む真緒に、彩子が時計を見ながら声をかける。
「外まで送ろうか?」
「大丈夫よ。明日のために、早く休んで」
さっさと帰り支度を済ませて、彩子は部屋を出ていく。
急に静かになった部屋で、真緒はため息を知らず漏らしていた。
「明日、か・・・・・・」
明日、自分は何を言うべきだろう?
理人の良さを伝えて姉を安心させようにも、真緒は彼のすべてを知っているわけじゃない。
この結婚の必要性を姉に説明しても、理人に対する菜緒の意見が変わらなければ意味がない。
「そういえば明日、松前先生のとこに行く予定のはず」
姉と理人が会うのは午後から。
午前中は、産婦人科に行くつもりだった。


