不遜な蜜月


「・・・・・・」


真緒の姉、いや家族から見れば、自分は受け入れがたい存在だ。

それでも、目を逸らしていい問題ではない。


「日にちは君に任せる。連絡は・・・・・・工藤でいいだろう」

「あ、はい」


お互い、連絡先を知らないまま。

いや、理人は真緒の連絡先を知っているかもしれない。

だが、あえて自分から口にしたりしないのは、彼女との距離感を未だに掴めていないから、だろう。


(もうすぐ、着く・・・・・・・)


見慣れた景色に、車は徐々に速度を落とす。


「あ、ありがとうございました」

「あぁ」


一臣が、車のドアを開ける。

外の空気は冷たくて、少し体が震えた。


12月―――油断していると、寒さですぐに風邪を引いてしまいそう。


「香坂」

「はい。・・・・・・え?」


振り返った真緒に、理人がマフラーを巻いてくれる。