不遜な蜜月


「あ、すまない」


理人はすぐに手を引っ込め、謝罪を口にする。


「い、いえ・・・・・・」


驚いただけ。

嫌だったわけじゃない。

それを伝えるべきだろうか?


「ともかく、食欲がないにしても、何か食べろ。いいな?」

「・・・・・・はい」


真緒は俯きつつ頷く。

そんな真緒を見つめて、理人は小さく呟いた。


「・・・・・・君のお姉さんに、会わないといけないな」

「え?」


視線を上げれば、理人は真っ直ぐに真緒を見つめていた。


「そんなに驚くことか?」

「す、すみません」


思わず謝る真緒に、理人は苦笑する。


「きちんと、お姉さんに説明するよ」


祝福される結婚ではないことを、理人もわかっている。

子供じゃないのだし、反対されたまま結婚することもできるだろう。

けれど、それを真緒も―――理人も望まない。